2018.12.05 Wednesday

ミニ、木の葉ヴィエンナーをクオーツ改造

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    数年前外国のオークションで精工舎の木の葉時計を彷彿させる

    極小ヴィエンナーを見つけて憧れたものの、当時としても余り

    の高額に断念した苦々しい思い出あった。

    巡り巡って、これをオークションで落札された方が工房にケー

    スのみが持ち込まれました。

    まさにドイルブラックフォーレストで作られた葡萄の枝に巣作

    りをしているつがいの小鳥が巧みに彫られ 、小判形の側枠には

    サイドガラスに光が注ぎ振り子に勢いをつけています。

     

    肝心のマシーンは以前に私が創った極小ヴィエンナーに流用して

    空になったケースだと知り、古のご縁に心が騒ぎました。

     

     

    このヴィエンナーを、振り子付きクオーツマシーンの改造して欲

    しいとのご依頼でかく申す、外見からはゼンマイ穴には軸がが立

    ち琺瑯の振り子玉が搖れています。ただ、磁石の反発で揺れる振

    り子は、やや早目に振りますが、黙っていればこれがクオーツだ

    とは判別できない出来となればしてやったり!!

     

     

     

     

    2018.12.03 Monday

    アンソニア ホールクロック 10インチ干支の補修

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      インターネット検索で、ホールクロックの修理を検索し、
      御社を見つけました。
      2010.10.21 Thursday
      アンソニアホールクロックの修復貫徹!
      の記事にあるのと同じ、機種を持っており、
      時計の文字盤が剥がれ、かかっています。
      気に入った時計なので、井上様の技術で蘇られていただけ
      ないかと思いメールした次第です。画像を添付いたします。


       

      >今晩はT様、完璧な梱包で無事到着しております。戦時中に
      24時間のシールを貼ったようです。その数字の配列不揃いで生

      活感が滲み出出ていまして皆さんから愛されてきた大時計だ
      と推察いたしました。
      これだけ大きくて高価な時計を所有されていたのは、庶民では

      なく大店、官庁、寺院、旅籠、大地主、駅の何れかでは?

      >塗料は厚めにミルク系塗料を数色混合して重ね塗り、大変神
      経を使う細線は特殊な0、3ミリの極細い油性ペンで定規を
      使って線を引いてあります。

      >表面には画面への定着を強くし汚れや落剥を防止する定着液
      フィキサチフを散布しました。ただ、元のペイントと地板の接
      着具合が劣化して、振動やショックで剝げ落ちる可能性が危惧
      されます。
      干支取り付けの際は、干支板を真鍮枠がクリップで不完全に着

      いて今して振動を防ぐ気遣いをしてください。

       

       

       

       

       

      >今晩はTさま、元の鞘に収まったようで一息つきました。表面
      ガラスを通してみますとガラスの反射や室内の関係で黙っていま
      すと、補修した形跡があるあることさえ忘れるような仕上げとな
      れば幸いです。

      本日、文字盤を取り付けました。
      文字盤は、外す時より取り付け時の方が難しいですね。
      文字盤は、バッチリです。部屋に鎮座しております。
      ゆっくりと動く振り子には癒されます。ほんと、部屋の雰囲気が
      変わりました。ありがとうございました。

       

       

      さて、柱時計の文字盤でもうひとつ気になるのがあります。本体が気
      にいって買ったのですが、文字盤が写真のようにイマイチです。

       

       

      私は時計の数字は123よりもローマ数字の方が好きです。井上さんが

      同じ直径の文字盤の在庫をお持ちであれば、その文字板に変えていただ

      くとか、今の文字盤のペイントをもう少し綺麗に塗り直すとかできるで

      しょうか。


      >これだけ大きいと腕時計の干支とは違い銀メッキの錆が広範囲に錆び

      ていますと修復は不可能です。昔、自分で銀メッキをして数字を書き入

      れた経験から、銀メッキをいくら丁寧にいしても必ず褐色さびから茶色、
      黒錆が変化する防錆材のコーティングが難しく、お手上げでした。

      >画像には真鍮枠のサイズ、枠に入れて状態での直径、メーカー名、左
      右のゼンマイ穴の間隔、針穴との間隔等のサイズが無くこれでは探しよ
      うがありません。
      ドイツ製品であれば欧州のパーツ屋、オークション出品パーツで見つけ
      て購入(落札)しています。
      国産の銀干支は探すしか有りません。メーカーのよっては時代でサイズ
      が変化することもあります。

      >ドイツでグスタフベッカー製で同じ径のものを見つけました、装飾ア

      ラビア数字、周囲は琺瑯かペイントか不明、染み部有り、中央部は真鍮

      らしく磨けば黄味が出そうです。装飾振り子と融合します。トレードマ

      ークは無し。

       

      ローマ数字は諦めます。また、画像で送付された文字盤、早速,ドイツか
      ら見つけていただきまして、ありがとうございます。文字盤の数字も今の
      単純な123でなく、おしゃれな123なので、こちらの方がいいです。
      残念なところは、6の上に少しシミがあることですが、現物を見て直せる
      のであれば直していただきたいと思います。

       


       

      >グスタフベッカーの干支を、ご希望のユンハンス用を少し加工を施して流用し

      たところで、不安だったゼンマイ穴位置が僅かにズレて鍵を差し込めず愕然!

      これでは、ゼンマイを巻くことができません。

       

      >そこで穴の上部を背後から真鍮板をハンダ付けをして塞ぎ、穴を下方開

      け直しをして下方に移動しハンダ付け部分を酸化させて同色にしました。

      これも、黙っていれば補修した箇所はわからない様にしたつもりです。6

      時付近の染みは前回と同じアメリカ製ミルクペインで捕食し、薄めに溶か

      したオイルニスを塗り半ツヤ仕上げとしました。

       

       

       

      PS. T様の了解元で作成いたしました。

       

       

       

       

       

       

      2018.10.25 Thursday

      精工舎 標準2ウエイト時計 175号

      0

        昭和6年9月発行 服部時計店 カタログ 標準時計シリーズ
        置定規時計 No,175
        8日巻き二本分銅引き。セコンド針、打ち方なし、銀色文字板・径10インチ

        (25,4cm)マホガニー塗り、高さ 235,6センチ

        当時もかなり高価だったらしく、購入できたのは設置場所からしてや官庁・老舗・
        寺院・旅館・学校・駅・医院・大地主等ステータスの象徴として今日まで伝わっ
        た時計です。それにしても素朴でデッカくてスレンダーでのっぽです。


        ある学校の校長室に卒業生から寄付されたと伝わる置定規時計持ち込まれました。
        事前に「振り子と錘を外してお持ちください」と念を押しました。
        左右の点検窓が壊れ、停止した状態を見て、振り子の先にある振りベラ薄板バネが
        切断、ケース後板の傷からして振り子や錘を外さずに、何度かそのまま移動したとか。

        ケースは多少の傷が見られ、水平度は僅かに狂っている以外保存状態は良好。

         

         

        単純で簡素な機構だけに、正確に時を刻む。
        真鍮地盤が厚くて頑丈な故に、ホゾ穴の摩耗は以外と少ない。
        アンクル歯先は分銅式たけに御多分に洩れず、微妙にすり減っていて
        段差が生じていたのを、段差がなくなるまで研磨した。その分、ガンギ車
        との噛み合わせを深めに修正。

        歯車のホゾ先は、珍しく丁寧に研磨してある。幾分長軸のアンクル軸(秒車)
        と、ホゾ穴も僅かに擦り減っていた。
        歯車軸には、昔ながらの上下の円盤にピンを差し込んで
        作るカナピン歯車を使用。残念ながら当時は、軸と歯車を一つの材料から
        削り出す技術を持ち合わせていない。

        朽ちていたタコ糸を丈夫な琴糸と交換した。
        それにしても、ケースは可成り上げ底でそこまで高くする必要があるのか疑わ
        しいが、威風堂々の威嚇するには最適です。

         


         

        一見、文字盤に空いた二つの鍵穴は時方と打ち方用に目え ますが左の糸巻

        き車は左巻き、右の糸巻き車は右巻きで巻き上げます。
        中心の中芯(分針車)両サイドには、左右の糸巻き車がそれぞれ噛み合い二

        つの錘の重力が重なって推進力となり、時計方向に回転する珍しい二本分銅

        引き式となっています。

         

         

         

         

         

        背面をご覧あれ。振り子アーム先のスリットは何とネジ止めされ角度や位置を

        調整できるようになっています。本場のビエンナーではこれらは一材から削り

        出され、余計な調整は必要ないとゆう自信が垣間見れます。

         

        2018.10.25 Thursday

        精工舎 標準2ウエイト時計 175号

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          昭和6年9月発行 服部時計店 カタログ 標準時計シリーズ
          置定規時計 No,175
          8日巻き二本分銅引き。セコンド針、打ち方なし、銀色文字板・径10インチ

          (25,4cm)マホガニー塗り、高さ 235,6センチ

          当時もかなり高価だったらしく、購入できたのは設置場所からしてや官庁・老舗・
          寺院・旅館・学校・駅・医院・大地主等ステータスの象徴として今日まで伝わっ
          た時計です。それにしても素朴でデッカくてスレンダーでのっぽです。


          ある学校の校長室に卒業生から寄付されたと伝わる置定規時計持ち込まれました。
          事前に「振り子と錘を外してお持ちください」と念を押しました。
          左右の点検窓が壊れ、停止した状態を見て、振り子の先にある振りベラ薄板バネが
          切断、ケース後板の傷からして振り子や錘を外さずに、何度かそのまま移動したとか。

          ケースは多少の傷が見られ、水平度は僅かに狂っている以外保存状態は良好。

           

           

          単純で簡素な機構だけに、正確に時を刻む。
          真鍮地盤が厚くて頑丈な故に、ホゾ穴の摩耗は以外と少ない。
          アンクル歯先は分銅式たけに御多分に洩れず、微妙にすり減っていて
          段差が生じていたのを、段差がなくなるまで研磨した。その分、ガンギ車
          との噛み合わせを深めに修正。

          歯車のホゾ先は、珍しく丁寧に研磨してある。幾分長軸のアンクル軸(秒車)
          と、ホゾ穴も僅かに擦り減っていた。
          歯車軸には、昔ながらの上下の円盤にピンを差し込んで
          作るカナピン歯車を使用。残念ながら当時は、軸と歯車を一つの材料から
          削り出す技術を持ち合わせていない。

          朽ちていたタコ糸を丈夫な琴糸と交換した。
          それにしても、ケースは可成り上げ底でそこまで高くする必要があるのか疑わ
          しいが、威風堂々の威嚇するには最適です。

           


           

          一見、文字盤に空いた二つの鍵穴は時方と打ち方用に目え ますが左の糸巻

          き車は左巻き、右の糸巻き車は右巻きで巻き上げます。
          中心の中芯(分針車)両サイドには、左右の糸巻き車がそれぞれ噛み合い二

          つの錘の重力が重なって推進力となり、時計方向に回転する珍しい二本分銅

          引き式となっています。

           

           

           

           

           

          背面をご覧あれ。振り子アーム先のスリットは何とネジ止めされ角度や位置を

          調整できるようになっています。本場のビエンナーではこれらは一材から削り

          出され、余計な調整は必要ないとゆう自信が垣間見れます。

           

          2018.09.26 Wednesday

          極小ビエンナーケースを製作

          0

             極小ビエンナーケースを製作

             

             

             

            2015/11/15 中部地方のある海岸に面した中核地方都市にお住いの

            コレクターXYZ氏邸をお尋ねした時、衝撃を受けた極小ビエンナーを発

            見しました。

             

            そのお宅は田園に囲まれた一見ごく普通の民家ですが、ドアを開けた途端

            一階はガレージになっていて別世界が広がります。小さなロールスロイス

            と呼ばれているオーナー拘りの英国・名車”バンデンプラス プリンセス 

            マークII ”がさりげなく停まっていました。

            背後のロッジ風リビングルームの壁とゆう壁にはマニア垂涎の憧れユンハ

            ンスが二階まで整然とレイアウトされ、白堊の干支が来客を和ませてくれ

            ます。

             

            中でも小型モデルが充実しその量とクオリティーにど肝を抜かされ、オー

            ナーの見識深さに圧巻されます。カタログやアンティーククロック関連の

            書物で見た物ほぼ全てを網羅しています。

             

             

             

             

             

             

             

            ここに来た目的の一つである珍品レンツキルヒ黒塗り極小ビエンナー

            を食い入るように各方向から眺めこれなら内心、これまでミニヴァイオリンのケース

            を作った失敗と経験を活かせば何とか「私にも作れそう」大胆に発意。

             

            意を決して、ケースを製作をしたいと申し出た処、快く了承され胸をなで下

            ろしました。

            先ずは、絶対この世には存在しないであろう黒柿材で2台(内一台は亞陀用)

            後に黒漆り(桂材)2台のご依頼をを承まりした。その時点ですでに専用の

            マシーン(専用の振り子・干支・ビートスケール)を3台分をお持ちなのには、

            空いた口が塞がらづ、熱の入れようが尋常ではないと判りましたら。

             

            別に急がないお約束を鵜呑みにし、他の仕事の合間合間での作業だけにこれら

            4台のケース製作に3年も費やす結果となりました。

             

            十分に乾燥したつもりの桂材( 一部檜葉材)黒塗りケースは、小型故に細くて薄

            い木材だけに、途中で歪んだり乾燥収縮が響き重ね塗装での修正に散々手古摺

            り終わってみれば、6回も塗り重ねていました。

             

            黒柿ケースは塗装の手間がないとは言え、硬材故の湾曲、曲面の仕上げも其れ

            なりに苦労が多く、、、、、

             

             

            これら4台を白木状態からの製作過程を記録した画像を、ユーチューブに2本アップし

            ました。

             

            黒塗りミニチュア ビエンナー

             

             

             

            レンツキルヒ 極小ビエンナー黒柿ケース製

             

            2018.09.12 Wednesday

            ユンハンス黒柿総彫スリゲル の彫刻

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              ユンハンスの黒柿総彫りスリゲルにしては珍しい、なで肩アール屋根の上宮制作の依頼です。


              上宮飾りはアール屋根の高さが意外とあり、手持ち黒柿の幅の広い板をいくら探しても
              なくて困っています。噂では、某国の業者が高価で買い占めているので、高価になった
              上に品薄で、良く筋が通った黒斑が少ないのが悩みです。
              最悪時は上下二枚を貼り合わせて幅広にするしかありません。

              ケースの状態は数箇所に他の部材に墨で筋を書き入れた偽黒柿の板が用いられていたり、
              底板の両脇にあった小さな装飾柱と、正面下中央の欄間彫刻も無くなり哀愁が漂っています。

               

              依頼主とご相談の結果、厚めの黒柿鳳凰透かし彫りに。早速下絵を描き
              硬く黒斑と柔らかい白班が入り乱れ、彫り辛い黒柿との格闘の前に、彫
              刻刀と欄間用小道具刀を堅木用に鋭く研ぎ直します。

              果たして、聖徳をそなえた天子の兆しとして現れるとされた、孔雀に似
              た想像上の瑞鳥である鳳凰を彫れるか、火蓋が落とされました。

               

               

              尾羽は複雑に絡み、羽毛の細かい筋をできるだけ細く彫り、立体感と遠近感を感
              じて頂けるように仕上げました。

               

               

              前面の彫りの深さ加味しながら、丁寧に裏面も彫り正面から観て立体的に仕上げます。

               


               

              ケースの色彩に合わせて彩色しオイルステインでつや消しコーティングを掛けて
              表面を保護してあります。
              話変わって、鳥の図鑑や写真に写った画像は何故かほとんどが左向きです。当の
              鳳凰も御多分に洩れず左向きに彫られています。この方が美しく愛想らしく見え
              るように思えませんか。右利きで彫刻刀を持ちますと、左手でしっかり材を支え
              られ安定さて、曲線や細やかな彫りができます。

               



               

               

               

               

              未熟者故、まだまだ発展途上段階では試行錯誤ばかり愚作集です。

               

               

               


               

               

               

               

               

               

               

               

              2018.08.04 Saturday

              Hemle Clock Tubular bells, Chimes Movement の修理

              0

                地元の時計屋さんから修理ができないと断わられた大型分銅式時計

                が、工房に持ち込まれました。事前の問い合わせのでは、ごく普通

                の3っの分銅が下がったグランドファザーだと伺い、それならケー

                スを持ち込むのは大変なので、文字盤を含むマシーンと振り子、分

                銅をそちらで外してお持ちくださいとお願いいたしました。

                 

                ところが、普通のグランドファザーよりも大型で分銅5Kgから7K

                gと重く、基盤の厚さも厚くしてあるようだが、歯車軸のトルク負

                荷が異常大きく、ホゾ穴のほとんどは摩耗が顕著で楕円形になって

                います。メカニック的にもやや複雑です。

                特徴的なのが、5枚の板バネがしなやかに揺れ先にはハンマーが付い

                ています。その板バネには揺れを規制する糸が繋がれ、チューブラベ

                ルだと解りました。

                 

                マシーンを取り付け完成した時の達成感に満ちたポーズ

                 

                中には歯車を軸から抜かないと絶対分解できないものが二つあり、下

                手に軸から抜こうなら、軸が折れたり曲がるのは明白で、国内には専

                用の治具はなく、米国の材料店から取り寄せて難を乗り切った。

                 

                 

                ンマーで打つのは棒鈴ではなく、5本のチューブラ・ベル(教会な

                どにある鐘を、コンサートの舞台で演奏しやすいように、管状(チュ

                ーブラー)にして、ピアノの鍵盤の順番と同様に並べて吊るした楽器

                である、「コンサート・チャイムズ」あるいは「シンフォニック・チ

                ャイムズ」などともと呼称される。

                日本においては「NHKのど自慢の鐘」と紹介すれば、一般にも馴染み

                のある楽器である。)が響く素晴らしい音響のウエストミンスター方

                式でした。肝心のチューブラーはケースに取り付けたままで工房には

                なく、ゴージャスな音色は想像するしかなく、最後の取り付けまでの

                お楽しみとなりました。

                 

                先ずは、複雑怪奇なメカニックを理解して、各方面からの画像を写し

                てカムの噛み合い角度・深さ・ピンが差し込まれた歯車の取り付けが

                負荷異なりで変化する角度とストッパーカムの位置・回転カムの取り

                付け位置・の確認と記録から始め、 時方・打ち方・ウエストと各ブロ

                ック分解しながら、全パーツの点検と洗浄をします。

                 

                ヘビーな分銅は各部品に多大なプレシャーを与え、中でも厚い基盤に

                も関わらず各ほぞ穴は楕円に拡大、時方の上基盤を貫き日の裏車に絡

                む3番車の磨耗が顕著で、軸の中間に基盤と交わる部分が異常にすり

                減って窪んで段差が発生しています。
                軸の両先を削ると使用不可能となり万事休す、そこで段差の幅で0、

                3ミリのスチールシールをリング状に加工して溝を埋めで軸径を保ち

                事なきを得た。

                分針の緩みを抑える強力な皿バネを取り付けるには、2方向から支

                えながら他に強烈な圧力で皿バネを押し付ける作業は、手が3本必

                要な締め方でこれには少々手こずりました。

                 

                 

                ピン付き歯車の取り付け角度が例え歯先ひとつでも狂うと、全く打

                ち方機構が機能しないのでナーバスになって納期が遅れても致し方

                ありません。

                結局、9月にお預かりし紆余曲折もあり、年を越して翌年6月に納

                品しました。

                同時にウエストの置き時計と同時進行だったので、机上は混雑して

                記録撮影どころではありません。

                 

                ご覧のように、1メートル近くの振り子を取り付ける台はハシゴ兼

                用脚立を使用。

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                複雑そうに見えるカラクリをお楽しみください。

                2018.07.23 Monday

                オリジナルと思しき小鷲補足

                0

                  精工舎一連のいわゆる座敷時計全種類を長年に収集

                  し製品全般を研究されておられるK氏から、解明の

                  一部を寄稿していただきました。

                   

                   

                  座敷時計の生産は明治43年の販売開始から関東大震災の工

                  場倒壊で製造が一時休止する約14年間を一つの区切りと考

                  えています。
                  パリ、ベルリンを代表とする主たる機種の生産はこの期間

                  です。筋硝子、小角丸、スエズなど一部の機種が昭和期に

                  それまでのデザインにアレンジを加え生産が再開されまし

                  た。

                  座敷時計の中でもパリ、ベルリン、筋硝子、小角丸などは

                  販売当時から万人に好まれる機種であったようで、現存す

                  る個体数が非常に多いです。
                  反対に製造数が少ない機種は現代でお目にかかれる機会は

                  非常に少なくなっています。

                  実機検証によりこれまで多くの座敷時計を比較検証してき

                  ました、特に現存個体数の多いパリなどの機種はサンプル

                  数も多くその違いを見いだすことができました。
                  座敷時計は製造期間が10年以上に亘る機種もあることから、

                  特に擬宝珠など脱着可能なパーツに関してはかなりの違い

                  があります。

                  当時の製品カタログの図版は大体同様の図版が継続して使わ

                  れており、その形状はほとんど変わりません。
                  しかし、現存個体でオリジナルと推定される擬宝珠を図版と

                  比較したところ、どの個体も微妙に形状が異なります。
                  然るに、当時の精工舎の製品管理において、時計本体の形状

                  はカタログとほぼ同形状の製品が製造されたようですが、擬

                  宝珠等の末端部パーツ形状の差異は大目に見られていたと推

                  測されます。

                  今回焦点になっている小鷲はそれなりに人気があったようで

                  すが、現存個体数は少なめです。
                  鷲像はカタログ図版ろ同形状のものはこれまで実機で発見さ

                  れておりません。また、オリジナルと推測されるものもカタ

                  ログ図版とは異なります。


                  上記の擬宝珠と同様に、現存個体から推測するに、当時の製

                  品現場では、脱着パーツの形状にそれほどカタログ図版と同

                  形状に拘っていなかったと考えられます。

                  精工舎の座敷時計において、実機を数多く検証・見聞した人

                  間はさほど多くはないと思われます。少なくても、研究とい

                  う観点からアプローチした資料は今のところありません。
                  残存資料がすくない座敷時計の解明は実機検証をひたすら続

                  けるしかありませんが、一定の知見が蓄積した折にはその成

                  果をまとめて公表できればと考えております。

                  以上

                  2018.07.19 Thursday

                  オリジナルと思しき小鷲

                  0

                    これまでご紹介した絶対個数が少ない精工舎の「小鷲」を偶然
                    にも数台を工房でお預かりした物は、すべて小鷲が失われて、同
                    社のカタログにある小鷲には未だ、お目に掛かった事さえありま

                    せん。


                    過去に、2017.12.07 精工舎『小鷲』上宮と小鷲レプリカ製作に

                    も報告したように、収集した資料はことごとく形状が異り、これ

                    がオリジナルと断言できるものはなく、カタログを信じたくも謎

                    は深まるばかりです。

                    あるオークションで鳥居氏のアンティーククロック図鑑と同型
                    と思われる頭部が折れた小鷲を落札したので、頭部の復元依頼
                    をK氏からお預かりいたしました。その条件は、「アレンジ、オ

                    リジナル要素は一切不要に願います。」と厳しい制約がありまし

                    た。

                     

                    アンティーククロック図鑑より
                     

                     

                    k氏が落札した首無し小鷲
                     

                    アンティーククロック図鑑の小鷲画像は小さくて、不鮮明でしか
                    も下から見上げた構図なので正面から見た姿をイメージを想像す
                    るしかありません。
                    翼の表情も異なり、翼の幅は狭くしかも右の翼は折れたていたの
                    を継いであります。先ずは依頼者が解析した画像を原図とする条
                    件で復元開始。

                       解析した小鷲

                     

                    私の検証
                    その材質は和菓子の落雁に使った型板に、粘土を型押した陶器製

                    の焼き物に漆を塗った物でした。大量少量を問わず簡単に作れま

                    す。
                    年代的に見ると焼き物が一番手っ取り早く、数種類を作るのも可

                    能かと。

                    固定法は所謂ダボを立ててホゾ穴に差し込み更に、鷲の左脚下に

                    ある小さな穴に、釘を斜めに深く打ち付け、簡単にはとれないよ

                    うな作りになっていました。

                    図鑑の解析鷲ではあまりにも精悍さが足りず、嘴やまん丸い目の

                    周りに稚拙さが際立ちます。解析よく見ますと時計を下から見上

                    げて写したもので、微細な表情を読み取れず、正面は想像して作

                    るしかなく推測の域に留まり、多少の甘さはご容赦願います。

                    正面の方が見えなかった部分は部妙に盛り上がって見えて来ると

                    想像されます。また、白い下地の時と色つけした後とでは、大小

                    の大きさの印象が違って見えたり、見る角度と色の変化にいつも

                    視覚を惑わされ迷され私の腕の未熟さを嘆いてしまいます。

                    頭部を復元する材料として、木の質感があり、磨くと独特のツヤ

                    が出て、粘着力が強くためどんな芯材にもよく付き、乾くと非常

                    に軽くて丈夫なり、彫刻刀で彫ることができる木粉を混入したウ

                    ッディ粘土を初めて用いました。

                    全体を薄く水で湿らせ空気を入れなようにしたのが功を制し、密

                    度を増したらしく乾燥後も割れヒビの貫入が少なく、彫刻刀も上

                    手く緻密に彫れました。
                    ただ、補修箇所の裏面は補強の為に厚くしなければならないのと、
                    痩せを見こ越して大柄にしてあり接触部分の段差の処理も意外と
                    楽でした。

                     


                     

                     

                     

                     

                    頭部は嘴と眼の作りで、鷲の鋭い気性を品良く表現できるかが決
                    まる重要な要素だと思っています。てな事を考えている内に、あ
                    の「アレンジ、オリジナル要素は一切不要に願います。」との規制

                    りよりもこの要素が脳裏から消えず、私流のアレンジが鷲に多少な

                    りと乗り移った言われても言い訳ができません。


                                         文責  匠 亞陀

                    _______________________________

                    << ご依頼主K氏の主張。>>
                    小鷲の真贋について少し私見を書かせてください。

                    まず、小鷲のオリジナルフォルムはメーカーカタログの図版が真と
                    する意見に異論はありません。
                    ただし、これまで鷲にしても小鷲にしても、図版と同様のオリジナ
                    ル鷲像はお目にかかったことがありません。
                    オリジナルと思われる物件を見聞してもやはり同様のものはありま
                    せん。
                    然るに鷲像に関してだけ言えば、製品には図版と異なるものが載せ
                    ていたのではないかと私は考えています。
                    これまで数多くの座敷時計を見てきましたが、全体のデザインはカ
                    タログに忠実ですが、オリジナルと思われるパーツで擬宝珠のよう
                    な付属品や柱部品のような轆轤引きの部品は、カタログと異なる場
                    合が多いです。
                    このあたりは精工舎としても製品として大目に見てきたのではない
                    でしょうか、なにせ当時の木工技術ですから。

                    次に鳥居氏のアンティーククロック図鑑像をオリジナルではないか
                    という推察とする根拠はいくつかあります。

                    1.そもそも小鷲像というものが他にないため、他の流用パーツか
                      らもってくることは考えにくい。
                    2.仮に同様の大きさで近いサイズの独逸時計パーツがあったとし
                      て、デザイン、造作が稚拙すぎる。
                    3.214号の鷲デザインに酷似している。後世の人間が後昨したな
                      ら適当なデザインにするかオリジナル図版を参考にするのでは
                      ないか?
                    4.214号は座敷時計ではないが、下部擬宝珠などまったく同じ形
                      状の部品が多くある。すなわち鷲像も流用された可能性もあ
                      るのではないか。※箱部は恐らく同様の精工舎木工部で作成さ
                      れていたのではないかと推測される。

                    今回私が工房に持ち込んだ鷲像とクロック図鑑の鷲像は確かよく見
                    れば違います、少なくても同じ型から量産されたものではないです。
                    クロック図鑑の鷲の材質も残念ながら特定できませんが、ぱっと見
                    では木彫ではなく型押しに見えますが真贋は分かりません。

                    私が今回持ち込んだ陶器?製の鷲は型押しの量産品であったことに
                    私は注目しています。
                    すなわち、工場か家庭内手工業的な方法で製品として量産されたも
                    のであるということです。
                    この小鷲の部品は時計の上に乗せる以外需要があったとは考えにく
                    い。すなわち精工舎か外注先のどこかで作成された製品である可能
                    性が高いと考えます。
                    後作りなら量産する必然性はありません。量産するほど小鷲像の需
                    要は他にありません。

                    以上が私が今回の鷲およびクロック図鑑の鷲がオリジナルではない
                    かとする根拠です。

                    塗料や材の経年劣化や時間経過でオリジナルを判断するのは私は難
                    しいというか不可能と思っています。
                    時計が長期間おかれた環境によってその具合は異なるからです。
                    ただし、本体などの部位は同様の経年劣化を示す個体が多いので、
                    そこを参考に事例数と経験則で判断することはできるかと思います。
                    なにせ座敷時計も100年ちかく経っていますので、どの年代で手を

                    加えられたのか推測は難しいでしょう。
                     

                    2018.06.28 Thursday

                    北國新聞読者からの投稿記事

                    0

                       

                      6月28日 朝刊 読者投稿欄

                       

                        匠の手にかかり再び時を刻む

                           新村 泰三氏  

                       

                       

                       

                       

                       

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