レアなドイツ製のミステリークロック

  • 2011.12.29 Thursday
  • 23:53
 上下逆さまのミステリー置時計のオバーホール談

ピンホイール式脱進機を備えたフランスのスタイルの上下逆さまのミステリー・スウインガークロックが最近よく止まるとお預かりしました。

磨かれた縞大理石の台座に支えられた支柱の前で、機械全体がゆっくりと振れる振子の役目を果たす不思議なドイツ製の置時計です。機械を見せるようにデザインされ、複雑な歯車の組み合わせが興味をそそります。(メイカー名 HUGUENIN APARW)

従来のアンクルとガンギ歯を脱進機とは一線を画した独特のピンホイール式脱進機構が備わっていてその動きに目を奪われます。



Aを支点としたC.Dの爪が振子のように左右に揺れ、周囲にピンが並ぶBのピンホイール車がC.Dの爪先で押されて回転します。ピンの断面は半円形で半円で爪を送り、平部分爪を逃がします。お預かりした時計は数本のピンが何らかの圧力で傷目で覗かないと判らない位曲がり、修正して事なきを得ました。

爪軸から伸びた細い針金が揺れの発生源です

下手に時間合わせやゼンマイを巻くと時計は止まるし、振子を揺らし始める時は振り過ぎ要注意水平面に垂直に設定、埃をもろに被る等、まさにマニア向きの時計でした。

全高 690mm 文字板径 155mm 機械厚 60mm

                                 (匠 亞陀)

ミステリーな動きをご覧下さい。


珍品 WATERBURY Antique Clock c1900

  • 2011.12.22 Thursday
  • 23:27
 12インチ干支、8日巻き、木象眼、8角形16面取り、胡桃材ケース

8角のようで16角のようなスリゲルにも見えない事はない不思議な時計。原産国云わく

Impressive Antique Anglo American Inlaid Octagon Top Short Drop Clock c. 1900. 

ヨーロッパとアメリカ両スタイルがコラボした大型時計(高さ80cm)みたいです。

文字板が8角、下宮箱はなんとヨーロッパのスリゲルタイプは、他にも有るように想います

が、初めて視ました。

17インチラウンドトップのようでもあり、下方は優雅なスリゲルとまれなスタイルの華麗な

ウォーターベリー。

12インチの文字盤、その外側は8つのセクションに構築されて、それは八辺形であるが、16

の側を作るための装飾カット独創的、下宮箱に花紋木象眼が実に素晴らしい。


文字板枠は、3本のオリジナルの木製の釘によって後部ケース箱に固定されています。

国産大置スリゲルの擬宝珠制作

  • 2011.12.18 Sunday
  • 14:56
大正期・名古屋産/メーカー不詳・全高2m・3段重ね大置スリゲル(ホールクロック)の天井に建ち誇る上宮と擬宝珠復元しました。

これだけの巨大な時計になりますと装飾パーツの大きさも半端ではありません。上宮板の幅は540mm、センター擬宝珠のサイズは高さ210mm 太さ110mm。
 両脇擬宝珠 高さ 215mm 太さ 90mmとなり、中でも擬宝珠に用いる径80mmの丸棒
乾燥の歪みが少ないゴム材を特注しました。


   白木の状態です。茶色に塗装された物は一般的な高さです。

ちなみに、一般的な擬宝珠は大きくても高さ90mm程度で、これだけの大きさになりますと
質量も並外れ、ロクロでの作業で発生します削り屑や粉塵は相当な量で後片付けも苦労しま
したっけ!

径80mm以上は厚板(桂材)を重ね、最上部の径60mm部分は別材の丸棒上積みしそれぞれにダボ穴/ダボを差し込んだ3段の串刺し構造となっています。

復元されてパーツを乗せますと壮大な姿が蘇りました。「でっかい!」この時計の輸送に耐える梱包作業たるや、そりゃもう人一倍神経を擦り減らしますょ。


珍品 梅鉢尾長時計の復元

  • 2011.11.29 Tuesday
  • 20:46
 6年前に関西の業者に薦められたハートHの梅鉢紋時計と梅鉢尾長時計を観た時からいつも
になって、手に取って観たいとの願いも空しく時ばかりがが流れました。

梅鉢型(ラウンドタイプ)の時計と云えば、精工舎製(縁は一重)ハートH製(縁は2重)が知られていますが、尾長タイプは余り見かけず存在すら知られてはいません。万人が知りたがりますメーカーはご多分に漏れず解明されていません。

これまで集めました資料を元に綱渡りの復元を試みてみました。


 表面板の額縁は一枚板を彫り込んで作ったもので文字板枠は5枚を張合わせて、振子枠は1枚板を切り出したようです。

 私は硬めの楢材を持ちい、板はルーターで縁を残して後は平面に削り出しジョイント部にはビスケットジョイナー(埋木)でしっかりと固定しました。

 同様に振子表板も彫り出してあります。







表面を面一に彫り出すのは困難で、パテを重ねサーフェーサーで下地を整えカシュウ塗料を5回塗ってあります。厳格には100%の平面とは言えませんが、経年の使用感と

風格が出て来た段階で完成を称しています。



      黒塗り梅鉢尾長時計       匠 亞陀 作

 文字板はクラック液で細かなひび割れを貫入させ、あたかも古臭いように古色に仕上げました。


 ガラス絵は金箔を押し復元、機械は精工舎を流用絵ガラス枠の留め金は、開閉が遣り易く可成り丈夫な物を工夫し、干支枠の同じ工夫を施しメンテナンスを意識した丁寧な作を心掛けたつもりです。


 


珍品 水時計 1912年  バーミンガム 英国製

  • 2011.11.15 Tuesday
  • 21:27
The Clepsydra Water Clock Wall Clock, Birmingham, England 1912

いにしえの昔から伝わる水時計(クレプシドラ)は漏刻式の大型仕掛けが多くて、一般的では有りませんでした。1500年頃にやや小型で簡単な構造のウオーター時計が生産され広く用いられたとか。

今回登場しますのは、1912年から3年間にイングランドのバーミンガム復元された置時計で入念な手彫りを施し、水処理が容易な置タイプをご紹介します。

真鍮製の部品は、少なく歯車と云えるのはチェーンを引っ掛ける5爪車のみで、遠く目には文字板の下に煙突が立っているようにしか見えません。アンティーク時計のコレクターにとっては収集癖をそそるレア物には違い有りません。



タンクの下にあるバルブを開き、水をより低い貯蔵タンクへ流出させます。タンク内のフロートが沈むにつれ、単一の短針を備えた時間を示すチェーンを引っ張り始め針を回します。

時間の緩急は、バルブからの流出量で調節出来るとは云え、タンク内の水量変化に伴う水圧やバルブの精度が原因で、数秒おきに一定量の水滴を垂らす事は現代のバルブでも非常に難しいと水道屋さんからお聞きしました。

タンク内の水量が多ければ早く、少なければ遅れるます。

慣れ親しんでいるゼンマイ式時計と勝手が違い、水漏れするバルブで手こずるやら、ケースを水浸しにするやらで水も滴る修理の果てはバルブ調節の日々を過ごしています。時間の精度を超越したいにしえの刻を堪能する者ぞみが寵愛できる水時計でござます。

 サイズ 縦 80cm  横 19cm    奥行き 12cm

他に、デザイン的に優れた掛タイプもあります。




和時計の部品製作

  • 2011.10.21 Friday
  • 00:45



 真鍮の薄板をレザーカットできる会社を漸く探し出し、キャドで製図したファイルと

共に製作を依頼したら、何と金色の反射でレザーを発光するレンズを焼き大損害を受

けたとかで断られました。

ここで下がったら部品製作に暗雲が立ちこめる恐れがあり、頃合いを見つけた処で今

度は鉄板で再挑戦して出来上がった和時計の二丁天符と飾り針です。天符の櫛や花形

針も細い部分が奇麗にカットされ非常に満足しています。後は針のバリを落とし角を

奇麗な斜面に仕上げ、天符には自作のアンクル爪軸に固定すれば出来上がりです。

針の停止位置は同じかも??

  • 2011.10.21 Friday
  • 00:06
 ゼンマイが緩んで止まった時、針の位置が何となく同じだと気づいた事がありませんか

 古い5星ユンハンス・ミニスリゲル(1889年製)日巻は、硬化して弾力が劣化しゼ

ンマイのご機嫌しだいでとても24時間は持ちません。8日巻きも同じでせいぜい5日か

ら7日間稼働のようです。古いゼンマイは一杯巻くと破損して機械が大変なダメージを受

ける危険を避けるために私は本能的に80%で巻き安全化を計っています。


 正/半時打ち方機構がある事を前提に話を進めるとします。

25分と55分付近に近づくと針軸から伸びる爪が打ち方レバーを押し上げスタンバイ状

態にさせます。30分と0分になると打ち方レバーの負荷が解放され打ち方が機能してハ

ンマーが鈴を打ち始めます。両ゼンマイが緩み弾力が弱くなると同時に、25分と55分

付近のテンションに耐えられずついに停止状態に陥ります。比較的この位置で止まるが多

いと想われませんか?

 時方機構の停止位置は決め手がなく、長短針が重なる・片振りくらいでしょうか。

ゼンマイを巻で暫く動いていたのに10分から30分経ったら停止した時は、振子の片振

りが原因のようです。片振りを修正するのはケースの傾きを調整するだけです。

振子を揺らして左右のチクタク音が同じである位置で、ケースが垂直に下がっているとは

限りません。傾きが著しい時は文字盤を外して振子棹やアンクルとガンギ車の噛合い調整

が必要です。


<大震災でも耐えた抜いた時計>


 平成23年3月11日に発生いたしました「東北関東大震災」を小名浜で被害に合われたマ

ニアのご報告では「掛け時計に関しては震度6強でも特に問題がなかったので亞陀さんが

仰ておられたように、ビスを斜めに止めるくらいで大丈夫だと思います。ホールクロック

は頭の部分をフックと針金で止めておけば6強までは耐えられると思います。(津波は駄

目です!)」

また、平成19年3月25日に石川県輪島市西南西沖40kmの日本海で発生した、マグニチュ

ード(M)6.9 能登半島地震で被災した時計屋さんでも横止めビスの時計は総て落下、別

の時計屋さんでは斜め止めビスは全く落ちなかったと聞きました。


                            文責 匠 亞陀

精工舎・鎌倉総彫塗り時計復元

  • 2011.08.18 Thursday
  • 21:26
初めて鎌倉彫り塗りに挑戦してみました。3羽の子供の鳳凰が牡丹の花の中で舞う複雑な伝統 デザインを元に重ね塗りした塗料でも細部が見えるように深くて鋭い切れ味な彫りを心掛けてみました。

1:材木の目止めを確り行なわないと塗りを左右するとも云われ、砥の粉を2度/ウレタン系シラー塗りと隅に粉が残らないよう且つ、均一な目止めをしました。

2:やや薄めの黒カシュー塗り後、中塗りのやや濃いめの黒カシューぬり。(単に黒と云っても当時と同じように限りなく黒に見える濃い目の焦げ茶色に黒と焦げ茶を混ぜ合わせたカシュー)当然ですが、それぞれの塗り後は軽く研磨します。

3:通常鎌倉塗りは赤もしくは鎌倉赤をやや薄めて塗ります。古い鎌倉塗りは濁った小豆色に近く、そのために時代感をだす紅溜色を塗りました。


4:紅溜色を塗った後約20分後に(季節に因って異なる)表面が指先に付かない半乾きで、べとべとしない頃 合いを見計り2枚重ねで作ったガーゼの袋に入れた真菰粉を筆先に優しく叩きながら表目に蒔く。
 
真菰とは、沼や川、あるいは田んぼの水路などの水際のいたるところに自生するイネ科の大型多年草でその根の菰角と云う筍のような物ができる、その根元を乾燥そほぐすと内部に黒褐色の粉末の事です。代用として松煙、ベンガラ、砥の粉等を混合して使う事も有るそうです。



5:通常は、高いところは紅溜がでるようになるべく低いところを磨き出します。下手に強く擦ると角が地板まで剥がれ台無し、コンパウンドで擦り過ぎるとテカリ難しいものでした。


今回は、高い所は下の黒が出るように調子を見ながら磨き出し黒の輪郭をくっきりさせ赤味を落とし時代感を強調しました。

表面総てを彫刻するには根気と忍耐力が必要で、その内に出来るだろうとのんびり進めたらいつの間にかに
完成していました。

珍品 地球儀時計の絡繰り

  • 2011.04.08 Friday
  • 20:54
 豊橋時計製・珍品「地球儀時計」
あるコレクターの薦めでジャンク状態を手に入れた時は、正直言って「買わなきゃ良かった」と随分後悔したものでした。
遣るしか無いとの闘志を支えに完成まで至った奮戦記です。亞陀
                       

リサイクルウッド**ガーデニングツールの大変身

  • 2011.03.14 Monday
  • 21:27
 代金の一部としてジャンク和時計を押し付けられ苦労して修復、仮の掛け台にセットして眺めていたら、オークションで背の高いガーデニングツールが目に飛び込んで来ました。これを改造すれば欲しかった江戸時代のあのツールができる筈とひらめきました。      
 高さと云い、フレームと云いこれなら申し分なく上手く活けると確信!
































ジャンクから蘇えした和時計です。
祇園の裏通りで見た紅唐格子のイメージを取り入れ、焼き杉板を古紅に染め枯れた風合いを出した側を張りました。リサイクル欅板で透かし彫り箱も品よく製作。
私の和時計(掛け時計)がそれなりに変身したガーデニングツール鎮座させますとご覧のように生まれ変わり、してやったり!



憧れていた櫓時計が蘇えり佐波理の鐘が素晴らしい音で響いています。



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