2017.03.05 Sunday

🔴 ユンハンス・ミドルサイズ・オルゴールクロック

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    ユンハンスの4インチ一日巻き小型のオルゴールスリゲルは時折見掛けます。

    小差なケースから正時を告げる澄み切った大音量のオルゴールはノスタルジ

    ックで優雅が漂い、とても人気があります。

    これは、ゼンマイ車に接する2番車の傘歯車がオルゴールのシリンダーを

    ダイレクトに廻すため、強力なトルクで音量が大き響きます。

    オルゴールプレートは裏板の中央に取り付けられ、最良の箱鳴り状態となり

    響が素晴らしいもの頷けます。

     

     

     

     😞   今回リメークしたユンハンス・一週間巻き5インチ中型オルゴールクロックは、

    4本脚オールドマシーンを使用・香箱入りゼンマイ・琺瑯の干支と振り子玉、

    ビートスケール。

     

    不調法で曲名はわかりませんが、渦巻き鈴の時報とは違う優しく奏でるオルゴール

    の温もりで心がリフレッシュされます。

     

    3番車の傘歯車からシリンダーを廻すためトルクが若干控えめで音量も弱めですが、

    持久力に長けています。弱いパワーで一週間も稼働するオルゴールの調整が難しい

    のが難点です。

    古いオルゴールだけに、シリンダー両端の三角錐状軸穴は、経年劣化で異常なほど

    拡大、偏心していて修正に随分手間取りました。

     

    禿げかけた金塗装・なくなっていた擬宝珠・朽ちていたプリント干支や振り子玉等

    をリメークしてようやく蘇りました。

     

     

     

    プロポーション 5インチ干支 高さ 82cm 幅34cm 奥行き 19cm

     

    癒されるオルゴールがお楽しみいただけます。

     

     

     

     

     

     

     

    2017.02.03 Friday

    精工舎 オール黒柿姫ダルマの創作

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      工房 亞陀のホームページ

       

      http://takumiada3.daa.jp/Photos/Welcome.html

       

       

      (抄)  work4 「黒柿姫ダルマケースの制作」から転用

       

       2008年2月、探してもそうは簡単に見つからない黒柿姫ダルマケースの制作を

      依頼されました。本物の精工舎の下地漆仕上げ姫ダルマジャンクを使い、文字盤

      枠と振り子枠それに中間部の装飾板を黒柿に改造して欲しいとの事で、これまで

      に黒柿ミニヴァイオリンを制作した経験が買われたようです。

       

       中間の飾りが違う5花弁ボタンとダイヤボタンの2種類を制作しました。黒柿

      の黒斑模様は指紋と同様に、この世に唯一無二となり、私が手塩にかけた only 

      one の証となります。

       

       この先どなたの手に渡ろうと、私が復刻した黒柿姫ダルマには代わりがありま

      せんし、黒斑を見れば判別が可能です。

       

      5枚花弁ボタン・タイプ

       

      ダイヤボタン タイプ

       

       

       通常、黒柿ケースとは言われても、彫刻部分は無垢の黒柿を用いますが、柱や

      平面は桂材の上に厚さ1ミリ程度の黒柿すき板を膠で貼ったものです。

       

       今回は断面が波状のダルマ枠なのですき板貼りとは行かず、黒柿材厚5ミリ下

      板である桂材厚7ミリの合計16ミリ合板にしました。黒柿の黒斑模様を4枚で

      斑を揃えるのは至難の技でよく似た斑模様の材を数多く用意する必要があります。

       

       さらに、丸枠だけに文字盤枠は4枚(角材)で、振り子枠は6枚(角材)の木

      組板をそれぞれ、ビスケットジョイナーを下板桂部へ埋木をして強度を持たせ、

      丸枠を寄せ木で組みました。

       

       凹凸部の湾曲ははルーターで削ります。この時は黒柿部をうつ伏せにした裏面

      状態で削るため肝心の表面が隠れルーターの刃を見る事ができず、湾曲の深さや

      幅は注意深く測定しながらの勘に頼る作業は一発勝負で、削りすぎると万事休す

      となります。

       

       寄せ木部分は黒斑が揃わず不自然になるため、目立たないように薄墨修正します。

       

       

       

       

       以上2台の姫ダルマは私が黒柿部分を復刻した事を充分ご認識されてお買い求めなさ

      いました。需要と供給からして、本物が欲しくても絶対数が無く、新たに作るご要求に

      お応えしたものでリプロ商品には違いありません。 

       

      ところが、数年前にあるコレクターが展示会でこの黒柿姫ダルマを明治時代に作られ

      たと吹聴して高価な値段で売ったと知り、その方の常識を疑います。

       

       

          ========  ブログに戻ります   ===============

       

       

       

       

       その時以来、側板を含め全てのケースを黒柿で作らないかと要望がありましたが、

      黒斑の硬い部分と白斑の比較的柔かい部分が混在し、曲げ加工は難しいとされ自信が

      持てず躊躇していました。

       

       1台分の黒柿上下ガラス枠のスットクに背中を押され、曲げ加工に用いる外型枠

      作り準備を整えました。外型枠を使った側板の曲げ作業はスリット(溝切り)の深

      さと切削加工の安定化、溝の数、均等な溝の間隔、温熱曲げの最適な温度と曲げる

      タイミング、スリット部分割れの恐怖などの不安材料の一掃との戦いでもありました。

       

       

       

       

       

      🔴 黒斑模様を生かした木取りで切削された材を、技巧的に木組みするか、高級な材

      は失敗を許されず、その加工に挑戦した記録です。

       

       

       

                             

                     和時計師  匠 亞陀

      2017.01.05 Thursday

      希少 ミニチア・スレンダーヴィエンアー

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        外国のオークションで落札しようとすると、思わぬ事態に直面します。

        1、注意書きに「日本には売ってやらないよ」と宣告しているアイテ

          ムが最近増えています。そんな時は直談判を始める。

        2、落札て振り込んだのに何度メールしても一向に返事かこない。

        3、落札したのに、互いのカードシステムの違いで決算ができない。

        4、オークションのシステムを無視して、売り手が直接決済をしたいがため、

          コンタクトで互いのアドレスを交換を試みると、システムが自動的に

          コンタクト機能不全になり、落札したのに支払いができない。

        5、英語圏以外と売り手の取引で、まずい英語ではスムーズな意思疎通がで

          きない。

        6、アイテムが到着後売り手の輸送費の計算ミスを見つけ、返金交渉をする。

        7、うっかり戦争中区域の売り手と知らず落札、ところが国の郵便機能が麻

          痺していた。

         

        英語が堪能でもないのに、取引上のトラブルを克服して工房に渡来した内の

        一台、スレンダーで優美なミニチュア・ビエンナーをご紹介したします。

         

         

        華美な装飾を一切そぎ落とし、時計美と極小化を求め他の追従を許さない

        世界的にも希少な、アーティスチック・ビエンナーです。

         

         

         

        1830年 ウイーン製

        ローズウッドケース、木象嵌枠、吹き付けガラスはパテ止め

        高さ 43cm 幅 16cm 奥行き7,5cm  琺瑯干支径    6,8 cm

        1日半巻き、マシーンはスライド式の固定、振り子棒・振り子玉はリメーク。

         

        奥板は長年の乾燥で内側凸状に変形し、振り子背面と接触。凸部分をできる範囲で

        そぎ落とし平面とし、黒檀の突き板を貼りました。

         

        振り子玉の重さは非常に軽過ぎて全く時間が合わず、振り子玉の隙間から鉛37gを差

        し込んで役目を果たしました。

         

        通常の見かける、上宮飾りや下宮擬宝珠のホゾ穴の形跡が無く、物足りなさを感じた

        ものの、シンプルの真髄に感服した次第です。

         

         

         

         

         

         

         

        動画です。

         

         

         

                                匠 亞陀

         

        2016.12.25 Sunday

        英国製グランドファザーの修復

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          2000年にロンドンから帰国する際に、持ち帰った思いのあグランドファ

          ザー(1800年代中頃 Bristalにて製造)が、重りをセットすると、時を刻ま

          ず、重りを吊るしている紐が伸びきるまで下がってしまう修理のレポー

          トです。

           

          ケースから取り出したマシーンだけの便と、振り子と錘だけを別梱包で送

          ってもらいました。その際、Y宅配からアドバイスを受けて丁寧に梱包し

          たそうですが、、、、緩衝材やプチプチで包まれて到着しました。ところ

          が、大きくて重いマシーンの重さには耐えられない梱包で重篤な状態でし

          た。幸いな事に、振り子と錘は完璧な梱包で無事に到着しました。

           

          宅配便業者は宅配のプロですが、梱包ノウハウに期待するのは止めた方が

          良さそうです!

           

           

           

          驚いたことに、ダンボール箱の底に穴が空いて、アンクル受けと振り

          子を取り付を兼ねた真鍮部品が飛び出し、自身の自重でヒビが入り歪

          んでいます。

          関連する部品も煽りを受けて、アンクル軸に歪みが、雁木歯先に変形

          が見られます。他にも、文字盤を止めるピンがなく、今にも外れそう。

           

           

          著しく重い錘(3,5Kgが二個)が起因して、基盤にある歯車穴の多く

          が稼働回転方向のトルクですり減理、真円だった穴が楕円形に変化し

          ています。

          分解掃除、歯車穴整形、アンクル軸に歪み・爪先の修正、錘巻き上げ

          車修正ほとんどの歯車(軸歯車)は隣と噛み合う部分だけすり減って

          います。軸と平歯車の垂直度が狂いた物や軸先が僅かに斜になった物

          等、不可抗力で被った被害が姿を現しました。

           

            各パーツは過重の影響と経年劣化に加え他に、輸送中のダメージを喰

            っているらしく、分解すると思わぬ不具合に戦々恐々です。

           

            早速、脚立にマシーンを乗せる専用の台座を丈夫な材木で作る事から

            スタートしそうです。

           

           

           

           

          上下基盤に歯車軸を差し込むほぞ穴があり、以前の修理に新しいほぞ穴

          を埋め込んだ(ブッシング)形跡がありましたが、トリク方向への摩耗

          が激しく、楕円に摩耗していて今回も新しく6穴のブッシュングを施し

          ました。

           

           

          想定外の不具合

          1・打ち方2番車に軸先から割れ(ヘヤーライン)が3センチ程貫入して

            います。以前の修理は軸先を避けて金ロウ付けされていました。この

            割れが原因で軸歯車の並行度が崩れ完全に歪んでいます。

            直径1ミリの軸先に約3,5Kgの錘の負荷が掛かり、今にもすぐに軸が

            割れ破壊しても不思議ではなく、安全を期して打ち方機構の停止を選

            びました。

           

            この2番車は当初から錘の重さに耐えられなく荷重方向にねじれれた

            末にひび割れしたと想われ、そもそも軸の材質や強度に問題を抱えた

            設計ミスのようです。このような状態でお使いだったと知り些か驚い

            ています。

           

           

           

           打ち方機構は1時間に感知するピンを抜き、打ち方関連のカムを真鍮ワ 

           イヤーで固定して、完全に停止させました。但し、錘を巻き上げる事は

           可能で、ある程度の高さまで巻き上げれは外見上も時錘との差異も解消

           できる事でしょう。

           

           アンクル受けと振り子を取り付を兼ねた部品は、力で曲げると折れる危

           険性があり、先ずは割れ部分を半田付けで埋めて固定、いつもの「壊す

           つもりで治す」極意を敢行、下手にハンマーで叩いて修正すればヒビが

           深く貫入して破断したと想像します。

           

          2・ムーンフェース歯先の不完全な補修痕跡

           

           

           直径30センチのムーンフェース(カレンダーと同じ働き)は文字盤下

           部のデイト盤と連動しています。ところが、見周囲にあるノコギリ状の

           歯先に高低差があって、機能不全に陥っています。 幾つかの歯をハンマ

           ーで叩いて雑に修正した形跡があります。

           大型の旋盤でなければ均一に歯先を修正することはできず、前に修理し

           た英国の職人は小さな卓上の精密旋盤しか持っていないと推察できます。

           事前に低い歯先をタガネで圧延しおき、ムーンフェースを大型木工旋盤

           のチャックで挟み、1歯ごとに精密ヤスリで全歯の高さとピッチ異常を

           均一に整形するしかありません。

           ムーンフェースが確実に進むかを監視するには一ヶ月と長引くために、点

           検には2か月分もの分針をゆっくり手回して(24時間×62日)異常が

           ないのを確認しました。

           

           

          アンクル(振り子の往復運動を回転運動に変換する二つの爪軸歪み修正

           アンクル押さえ歪み修正、

           振り子アーム修正、

           押さえ固定ピン2本ガンギ車(アンクルに連動する大変重要な車歯先整

           形、偏心補正打方・時方糸巻き車押さえ板ばね補正

           上下基盤にある歯車の穴(ほぞ穴)摩耗に伴う拡大のたほぞ穴を入れ替

           えて復元

           時方糸巻き車、2番車、3番車、ガンギ車のホゾ、ムーンフェースノコ

           ギリ歯整形

           ムーンフェースストッパー補正

           オーバーホール

           機械固定板2枚

           文字盤固定ピン4本

           基盤固定ピン3本

           カム固定ピン

           針止め皿座座金針止めピン

           カム止めピン

           

          古時計にありがちな歯車の疲弊は、すでにすり減った遊びで相殺されて、誤魔

          化しの状態で稼働していました。この状態を一つでに正常化すると、すべてを

          修正しなければ決して稼働せず、ジレンマとの戦いでもあります。

          古ければ古いほど部品の遊びは遊びが大きくなり、常に変化しています。

          遊びの幅を最大限を許容する修正が、良し悪しを決めるよ言っても過言ではあ

          りません。

           

          進行するにつれ障害をクリアーしても、更により甚大な障害と遭遇し曲者のグラ

          ンドファザーで大いに楽しませて頂きありがとうございました。

           

          2016.11.16 Wednesday

          🔴 2016年版 地球儀時計修復奮戦記 第二弾 その2(ケースの部)

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          🔴 2016年版 地球儀時計修復奮戦記 第二弾 その2(ケースの部)

           

          2015.03.05

          今晩はTさま、確認のご連絡ありがとうございました。

           

          木造文化財の腐朽の補強と永久保存を目的に開発されたポリ

          ウレタン系の木質強化浸透液で木を固める効果に望みを託し

          て、ケース部の修復に移ります。

           

          歪み箇所の接合部分には必ずと言って段差が生じて、これを

          面イチに削り段差を無くします。

          凹み部分はパテを充填し、表面の虫食い穴に爪楊枝を差し込ん

          でも、穴が近くに一杯ありまるでスポンジ状態、穴は無数点在

          しており、以上の不具合箇所を一つ一つ丁寧に修正します。

           

          これ以上、思わぬ不具合に出く合わせないようにと、祈ってい

          ます。

           

          ━━━━…‥・・‥…━━━━

          2015.04.16

          今晩はTさま、以前にもお知らせいたようにケースの劣化は当

          初思っていたよりも最悪で虫食い穴が非常に多くて、爪楊枝を

          差し込み埋めても埋めてもまた新たに穴を見つけ終わりのない

          穴埋め作業に終われています。歪みを直そうと試みるも木が割

          れる恐れがあり腫れ物に触る想いでの作業です。

           

          穴は表面から内部まで方向は様々なれど、ほぼ真っ直ぐに開い

          ているからこそ埋められます。とは云え、方向が不鮮明なもの

          や内部で別れている・隠れているもの・重なり合うものがあり、

          難儀で、最終的には500本入りの爪楊枝2パックを使い切り

          ました。

           

          各パーツの画像でお分かりのようにまるでハリセンボンのよう

          です。平面仕上げをしたいのですが、なんと段差を幾つも見つ

          けこれまでの機械修復以上に時間と根気が必死となりました。

           

          まずは、現時点の進捗状態をご報告します。

          これまでの工程と完成までの工程をブログ等で公表したく、ご

          承知願えませんでしょうか?

           


           

           

           

           

          2016.08.17

          今晩はTさま、4層の工芸漆塗りを漸く完成しました。

          1層に付き、漆を塗り凸凹を砥石で磨き、その上の漆を重ねまた研

          いで繰り返す事4回。

          上ふた・リング状のふた・文字盤装着箱・リング状の台座・この4

          階層ケースなので修復時間と苦労はご想像頂けるでしょうか。

           

          塗装後も階層一つ一つは乾燥による反りは歪みが顕著でして一層ず

          つを平面度を修正してこれからマシーンを組み込みとします。

           

           

           

           

           

          2016.08.28

          おはようございますTさま、長時間と手間を惜しみながら千辛万

          苦の想いの末、ここ数日は何事もなかったように順調に稼働して

          います。

          スボンジ状の多層虫食ケースを漆黒の黒光りに仕上げ(つや消し

          仕上げではどうしても刷毛目が残り綺麗とは言えず艶仕上げとい

          しました)になった威風堂々の晴れ姿をご覧ください。

           

          下面には人口漆の濃度の関係で角部分はどうしても薄くなった

          箇所はありますが外見上はまったく問題ありません。

           

          多少の反りや、割れの痕跡はどうしても残っています。

           

          また、向かって左の龍はFRP樹脂製で(固定ネジは目一杯締める

          のは禁物)、これも黙っていれば後作はまず判らない仕上げとな

          っています。

           

          ただ、強度はオリジナルの真鍮とは比べもにならなく弱く、使用

          にはご注意下さい。

           

          地球儀の取り付けは、まず、12時で地図上の日本付近を定位置

          軸に合わせて軸に差し込み、オリジナル龍のネジを緩め龍のスリ

          ットにうまく滑らすように入れます。

          地球儀の傾きを軸の延長に合わせ、オリジナル龍の止めネジを締

          めます。

           

          左右の龍のスリットネジを優しく締め(左の樹脂製は目一杯締め

          るのは禁物)地球儀の位置を決めます。

           

          機械修復代金はすでにお伝えしましたが、艱難辛苦したケースの

          下地素上げや塗装に関してのご請求はこれから検討させて戴くと

          して、2年余りもかかったケースの仕上は初めてで、最初にお預

          かりした満身創痍の姿を思い出す度に、ここまで待って頂いたT

          さんの熱き思いにお応えでき職人冥利に尽きましす。

           

           

           

          2016.08.29

          今晩はTさま、時計に下に敷く台座の材を昨年作ってあったのですが

          現在板が反って使い物にならないようで困っています。

          左右2枚の厚さ15ミリ幅260ミリ朴の木の側面にビスケットジョ

          イナーを埋め込み補強と防反りを配慮した後、接着剤で貼たのにがっ

          くりしています。

           

          合板やベニア板・集積材は変質があり使用できず、木目が少なくて緻

          密な木材がそれほどなく、明日材木店で探してみます。

           

           

          2016.09.05

          こんばんはTさま、思い起こせば2年余もお預かりした期間は当初とは

          異なり、殆どはケースの補修に尽くされ木地固は思いの外、困難で同じ

          工程の繰り返しで根気との戦いでした。

           

          何はともあれ、先ずは画像を添付いたします。

           

           

          反った材木は製材所の特殊な電動カンナで削ってもらってもまだ反

          りに残留があり最後の最後まで気を持たせました。

           

          ケースの仕上げにかけた時間と手間は膨大でしたが、そんなことより

          も最後ままで成し遂げた根性をご理解いただければ幸いです。

           

           

           

          2016,10,11

          お車でご来沢とお聞きしていまして、工房の近くになったらお電話く

          ださい。その折には当方の駐車場までご案内します。

           

          **から車ですと片道6時間ほどでしょうか、大変な距離となり、交

          通安全に徹してお気をつけてお越しくださるよう祈っています。

           

           

           

          2016.10.28

          今晩はTさま。

          確か、地球儀時計を明日に金沢まで取りに来られる予定があると伺っ

          ていますが、明日何時にご来店の予定かご連絡くださるようお願いし

          ます。

           

          折角遠くからお越しいただけるそうで、大いに歓迎したく思います。

           

           

           

          2016,10,28

          こんばんはTさま、無事お帰りとお聞きし安堵しました。ご遠方から

          お一人の弾丸ドライブ(日帰り)で、疲労困憊だとお察し申し上げま

          す。お疲れ様でした。今晩は冷たい麦酒で喉を潤して、ごゆるりとお

          休みなさい。

           

          地球儀時計が鎮座していました跡は、修復していた苦労を思い出しな

          がら物静かな空間が虚しいです。

           

          明日の組み立てを楽しみにしています。おやすみなさいませ。

           

           

          追記

          ブログの記載に当たり、快く受諾していただきましたTさんに感謝

          を申し上げます。   当分は虫食い穴の修復は固辞いたします!

                                 

                           完

           

                       和時計師 匠 亞陀

           

          2016.11.15 Tuesday

          🔴 地球儀時計修復奮戦記 第二弾 その1(マシーンの部)

          1

          先ずは、プロローグです。

           

          2011/03/28 メルマガチクタク(匠 亞陀発信) 70号より

           

          🔴 豊橋時計製ジャンク地球儀時計 修復全容(リプレイー)

           

           

          ***********

          始まり!   始まり!

          ***********

          🔴   2016年版 地球儀時計修復奮戦記 

           

          2015.06.30 NHK [おはよう日本]で放送された時計です。

          2年もの歳月を労して豊橋時計地球儀時計を修復した奮戦記  第二弾です。

           

           

          2014.11.05

          今晩はTさま、重篤な地球儀時計は丁寧な梱包で包まれ無事到着しました。

          分解してみないと全容はわかりませんが、あくまでも外見から不具合箇所

          です。

           

          1、地球儀がない

          2、地球儀スケールリング、軸ヘッドかない

          3、軸支え龍がない

          4、振り子がない、ゼンマイ巻きキーがない

          5、時き方ゼンマイが切れている。

          6、マシーンはサビ取り、ホゾ穴爪、分解掃除必死

          7、ケース台座部び致命的な割れ

          8、ケース塗装剥がれ、不適切な塗装補修

          9、ガラス枠丁番半田の劣化剥がれ

          10、ケースの乾燥歪み、経年劣化、虫食い跡

          11、ケース中間枠が乱雑な塗装のため、分解できない。

          12、地球儀の経度スケールピンがない。

           

           

           

          古時計修復は分解している途中で思わぬ不具合に出くわす事が多く、

          正確な見積もりは出来かねますが、最低限、時計が稼働・地球儀が連

          動するとしてアバウトで*****円(税抜き)その時点でケースの

          再塗装をするかご相談申し上げます。

           

          ケースは可能な範囲で分解してみました。手持ちの地球儀(メルマガ

          チクタク(匠 亞陀発信)70号 参照)それに自作のFRP樹龍と地

          球儀スケールリングを仮装着した勇姿を想像するだけでも実に楽しい

          ですよ!

           

           

          私の仕事は殆ど依頼主から修復代と期間はお任せのお預かりが多く

          急ぎの仕事は、全国から依頼された順番やローテーションの関係で

          他のご依頼主にしわ寄せが及ぶ点をご理解頂ければ幸いです。

           

           

          ━ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

           

          2015.02.24

          ご無沙汰していますTさま、オーバーホール後

          ケースの簡易補修、文字盤枠補修、ゼンマイ替え、風切り車羽替え、

          傘歯車シャフト作り、地球儀シャフト作り、地球儀、地球儀スケー

          ルリング、リング固定龍作り、各種調整して今日意を決して地球儀を

          設置しました。

           

          地球儀に位置を仮にホールドして実験段階で地球儀が目に見えない

          緩やかなスピードで周り始めました。

           

          ホールド位置を確定して、稼働を確認すればマシーン的には一応完

          成となりますが4層建てケース全ての表面には、ひび割れ、凹み、

          虫食い穴割れ、歪み等をパテや添え木、差し板で応急的に幼稚な補

          修してあり手詰まりに陥りケースの修復を放棄したようです。

           

          しかし、これでは醜くとても人様にお目にかかるような時計とは程

          遠くケースの塗装仕上げも必死と思われます。まずは実態をご覧く

          ださい。

           

           

          ━━━━…‥・・‥…━━━━

          2015.03.04

          今晩はTさま、先日稼働をご連絡した後、地球儀の設定位置やホル

          ダーの微調整を終え、現在は快調に地球儀を回しています。

          時間は地球儀設置の荷重にも拘らず、時間がやや早くなり錘を少し

          重くする必要があります。普通の時計とは異なり、地球儀を回す負

          荷が原因で稼働日数も少ないです。

           

           

          ケースの修復を残すばかりとなりますが、その前にこれまでの修復

          の詳細です。

           

          オーバーホール

          時方ゼンマイ交換  

          地球儀

          地球儀スケールリング  

          地球儀経度スケールピン

          振り子  

          文字板枠補修  

          ゼンマイ鍵  

          傘歯車超軽量シャフト

          地球儀シャフト  

          スラスト極薄玉軸受け2個  

           

          ケースはご承知のようにかなり重篤で壊す覚悟で気を引締め作業と

          なり、下地まで塗装を剥がして凸凹な歪みを均一に修正、虫食い等

          でまるでスポンジのようになった木材を固形化にする特殊な処理材

          で硬化、下地を整え工芸漆を数回重ね塗りします。尚、できる限り

          元の部品を使う予定です。

           

          ご確認いただければ早速取り掛かりたく想います。     

           

                                 続く!!

          2016.10.28 Friday

          ミニチュア ビエンナー 2

          1

          RARE  German Miniature Vienna  Regulator Clock

           

          ミニチュア ヴェイエンアー レギュレータ クロック

           

           

           

          メーカー不明 4日巻き タイムオンリー 琺瑯 干支・ビートスケール

          振子シャフト基盤固定タイプ(ビエンナーの典型的な要素)。

          マシーンは部品一つ一つまで精密に作られ、クオリティーの高さが感じら

          れます。高さ40センチ。

           

          極小でスリムな美形、ディティールまで丁寧に作られた胡桃材ケースは随所

          に黒塗装されポイントを散りばめ、心憎いまでの荘厳な雰囲気が漂います。

          大型ビエンナーに決して引けを取らない圧倒的な迫力と、繊細な造形美で魅

          了します。

           

          小さい擬宝珠のくびれ部分は非常に細くて折れそうですが、確かな職人の

          腕が光っています。渡来時は天井にほぞ穴の痕跡がだけ残り、丸坊主頭を

          呈していました。当初は上宮飾りがあったと想像され、雰囲気にマッチし

          そうなアラベスクを彫ってみました。

           

           

           

           

           

          2016.10.04 Tuesday

          Black Forest Vienna ・Regulator " huntsman "

          0

             

            1860年前後にドイツ・ブラックフォーレスト地方で狩猟民族らしい豊かな

            山の幸への礼賛を込めた、ハンターをモチーフとしたビエンナータイプの

            時計が生まれました。

             

            この地方の伝統的な立体的表現力を活かした彫刻で装飾され、見ていると

            思わず引寄せられてしまうようなアート作品です。

             

            レンツキルヒ・タイムオンリー 琺瑯 干支・振子玉

             振子シャフト基盤固定タイプ(ビエンナー) 鹿角は後作

            鹿の剥製をトップに鎮座させ、オーク(ブナ科 コナラ属の植物の総称。

            落葉樹であるナラと常緑樹であるカシの総称)の枝葉をシンメトリーに絡

            ませ、両脇には獲物と狩人バッグが提げられ、背後には鉄砲が見え隠れて

            います。

             

            十分乾燥したオークの一枚材を鋭い透し彫りでリアルに表現され、見る人

            を虜にしていまいそうです。獲物の羽毛、バッグの毛皮、複雑に絡み合っ

            た枝葉等を激写しました。

             

             

            プロポーション 高さ 840 mm  幅 340mm  奥行き 220

             

            動画でお確かめください。

             

             

            独逸から運良く手に入れて楽しむ中、同じなのに何故か獲物狩人バッグ

            が左右逆の位置に配置されたハンターを欧州のオークションで遭遇し呆

            気にとられています。この機会に、ハンター類の時計を探してみました。

             

             

            現在、ヨーロッパでレンツキルヒのレプリカを作っている工房の作品

            を見ると、こちらは羽毛や毛皮がリアルに欠け、鉄砲の存在が薄く感

            じられます。

             

            http://antique-clock.com/Agata/5a.JPG

             

            レンツキルヒ・1871年 hunter motif carved  オリジナル “

            ”Lenzkirch Clock The Unsigned Story”から。

             

             

            メーカー不詳の1890年ころのハンター。

             

             

             

             

             

            2016.09.06 Tuesday

            櫓時計の干支を修復

            0

              黒漆塗り、金文字がほとんど剥がれた櫓時計干支(文字盤・

              径77mm)で、それも逆回転とは珍しくご覧のように重篤

              でした。

               

              お預かりしたのはこの部品だけで本体や針の情報は無し。

              スケールが外周についていると言うことは、針はケースに取

              り付けられているようです。

               

               

              この手の修復にはそぐわない私は達筆とは程遠く然るに、金

              粉を膠で溶いて金泥書きなど出来る筈もなく、いつものよう

              に特殊な透明保護シールを貼って文字や線を切り抜く、切り

              絵の手法で遣るしかありません。

               

              先ずは、漆の残片を除去して真鍮の下地まで磨き、金属用の

              プライマーを吹き付けて定着を強め、工芸漆の黒を塗っては

              磨き3層まで繰り返し黒下地を整えます。

               

              保護シールを貼って線書き部分を切り抜いた部分にクリアー

              カシューを塗り込み、ベタつかないようになったら金箔を押す。

              クリヤーカシューが半渇き状態になったら保護シールを精密ピ

              ンセットで慎重に剥がます。

               

              24時間於いて後、新たに保護シールを貼り干支の漢字と漢数

              字を切り抜き同じように金箔を押す前回同様に保護シールを剥

              がし、最後の外周目盛りもも同様に処理します。

               

               

              蘇った干支です。

              2016.08.31 Wednesday

              レア! ぶどう樹 Miniture Vienna

              0

                ぶどう樹 Miniture Vienna ・ドイツ Black Forest地方製・1890年頃
                メーカー不詳・2,5inch(6,3mm)琺瑯干支.・タイムオンリー8days・
                胡桃材ケース・高さ343mm。

                Black Forest地方の山小屋をモチーフとした鳩時計を彷彿とさせ、
                ハードコレクターの憧れとなっています。

                 

                 

                精工舎・木の葉よりも珍しい時計を数年前にebayオークションで見

                かけ、ぶどう樹の装飾にドレスアップされたMiniture Vienna が目に

                焼き付いて離れなくなりました。

                 

                その折の落札価格は到底私が手を

                出せるものではなく只々、横目で眺めるしかなかったものでした

                 

                 

                似かよったオールドフクロウ時計を改造してBlack Forest type 
                Miniture Vienna を作ってみたものの満足感を得ず、やはり本物
                に未練が残っていました。

                 

                   自作品 干支径4inch(100mm))  高さ520mm

                 

                その端整で優雅な姿を求めてebayをネットサーフィンしている時、

                ドイツのオークションで遂に発見!日本には売らないと出品者が

                宣言する中、熱い思いを込めた交渉(いい加減な独逸語で)の末、

                なんとか説得に漕ぎ着けました。

                 

                古色蒼然な超小型時計で、細密なぶどう樹の彫刻は想像以上の出来

                でした。案の定、身分相応のヒネクレ者で装飾木片散逸・ケース材

                の乾燥による反りや歪みに加え、全歯車の歯先が経年摩耗のダメー

                ジが深刻でなんとも痛し痒しです。 文末の動画をご笑覧ください。

                 

                 

                 

                欠損備品を足し、最後に上宮を乗せた途端、画竜点睛のよ
                うな晴れやかな姿に蘇りました。

                 

                 

                 

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